ファンダンゴ、グラナディーナス、タランタス【いくつかのトーケの解説(3)】

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ファンダンゴ、グラナディーナス、タランタス

いくつかのトーケの解説(3)

 トーケ・リブレは全体を通して、定まったリズムの型を伴った経過を刻む必要はありません。それは経過の旋律構成のための型を一貫させていますが、しかる後に自由な雰囲気へ転換することもあり、ファンダンゴスならばそのリズムを自ずと有し、底にファンダンゴスの感じを湛えています。

 ファンダンゴを取り上げて説明するのは、大部分のトーケ・リブレが特定地域でファンダンゴス・グランデが変形したものであるからです。
 たとえばグラナディーナスはグラナダの田舍でマラゲーニャはマラガでという風に。

 東部地中海沿岸地方では、タランタスが発生しましたが、アルメリアやカタルヘーナ、それにリナレスがその本場です。
 トーケとしてはタランタスは最も豊かな自然な和声と、不可解な“暗い響き”とを具えています。

 タランタスは(カンテ・イテンテルメディオに属しますが)ギター・ソロにおいては、カンテ・ホンドに匹敵する深味を発揮します。
 カンテから生まれたトーケ・リブレのバリエーションは、しばしはフラメンコ界で最も人気があるものです。
 よく聞かれるものであるからですが、しかしそれには優れたカンタオールが齎す程の原始的な力は欠けています。最も有効なバリエーションは、自然で優れた構成と、ギターの音を生かし、決して人の声を真似することなくカンテに戻ることで、しばしば創り上げられます。

 トーケ・リブレは、リズム性が乏しいので、アルペジオやトレモロを伴った、より旋律的な調べや、その本源であるトーケを奏でることができるため、よくコンサートに用いられるようです。

 より生命力があって、説得的なトーケス・ア・コンパスを好んでいる人は、本当に歌っているブレリアスの美も感じることができるでしょうが。

 エラ・フィッツジェラルドが言ったように、“若しそれが歌っているのでなければ、何物でもない”―――これは、同様にフラメンコのトーケス・ア・コンパスにも言えるのです。

 トーケス・リブレに戻りましょう。
 優れたギタリストは、強い旋律の芯を、グラナディーナス、タランタス、マラゲーニャス、あるいはロンデーニャにもたらすことができますし、調和を考えて、それらを取り入れるならば、トーケス・ア・コンパスだけを弾くよりも、その演奏の一夜を通して、あるいは一枚のLPを通して、より全体的な音楽体験をものし得るでしょう。

 確かにトーケ・リブレの演奏スタイルは、優れたブレリアスやシギリアスを主として親指とラスゲアドで奏でることよりも、クラシックギターの演奏法に似通っています。

 しかし私はギターについて何も知らない歌い手の伴奏をしましたが、半音の二つのコードを用いて、右手だけで大変フラメンコ的な鼓動を作り得たのです。これはクラシック音楽とは別の世界です。

 アンダルシアの人々が云うように、“人は、これを心の中に持たねばならない”のです。


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