ハヴィエル・モリーナとラモン・モントヤ【フラメンコに於けるギター(2)】

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フラメンコ(15)
フラメンコに於けるギター(2)

 ハヴィエル・モリーナは、その演奏により“エル・バージョ・デ・ラ・ギターラ(ギターの魔術師)”の異名を勝ち得ていました。
 彼は19世紀のスタイルと現代演奏家のスタイルとを繋いでいる点で、歴史的に非常に重要な人物です。

 モリーナはどちらかといえば、低階層の人々との交友があり、彼がセヴィリヤで学んだパコ・アル・バルベロを崇拝する早期のフラメンコギタリストの演奏を、強く感じることができます。

 バルベロは、二人の最も有名なフラメンコギタリストに、影響を与えました。
 まずラモン・モントーヤに、次いでニーニョ・リカルドに。

 その影響とは、直接的で土くささを持った、技巧を完成させたスタイルですが、モリーナは、それをさらに進歩させたのです。

 ラモン・モントーヤは、アンダルシアではなく、マドリッドで1880年11月2日に生まれました。
 彼の両親は家畜類を商うジプシーで、幼いモントーヤは5歳にしてサーカスの裸馬の騎手になりました。

 彼の人生は、通りで盲目の男の奏でるギターを聞いたことから変わりました。
 その後、彼はギタリストにならうと決意したのです。
 14歳の時、“マラゲーニャの達人”やミゲール・ボルーイ準男爵に学び、ラ・マリアーナというカフェ・カンタンテでセカンド・ギタリストに雇われるほどに十分に上達しました。
 このカフェでの年季奉公の時代に、モントーヤは当時の有名な歌手達に知れわたるようになりました。

(訳者註。ミゲール・ボルーイは父の方。同名の息子がいます。ターレガの友人。『Tarregaの生涯』p.83)

 彼は伴奏者として、アントニオ・チャコンと深交を結びました。

 カフェの衰退の後も、ラモン・モントーヤの職業演奏家としての成功は続きました。
 彼は強く私的な演奏会、フィエスタをしたいと願い、しばしばフラメンコ一座の編成を委託されました。
 またサントス・エルナンデスの仕事場や、マドリッドのPlaza Santa Anaのthe Villa Rosaに集まったギタリストや、愛好者の間での中心人物でした。

 亡くなる1949年までの長い活躍で、ラモン・モントーヤは新しい音楽の概念、新しいファルセータ、そして新しい技巧をもたらし、フラメンコギターを富ませたのでした。

 彼の技巧的革新は、より複雑な左手の使用(それは彼がタレガやリョベートのクラシックの演奏からの影響を受けたことによる)、より複雑なアルペジオ、ピカード、そしてp、i、m、iによって奏する“四本指による”トレモロの多用を含んでいました。

 滑らかにそれを奏でるのは難しいですが、モントーヤのトレモロは、フラメンコのスタンダードとなり、ギタリストに親指でゆっくりしたテンポを刻みながら、豊かな音を生み出すことを可能にしました。

 モントーヤの技巧的革新は、より複雑な演奏スタイルを示し、フラメンコギターの進路を変へ、技巧を新しいレヴェルに引き上げたのでした。
 彼は単なる技巧家の域を越えていました。
 フラメンコの世界の、本物の稀代の創造者でした。多くのギタリストが、他人のファルセータをまねていたが(それはしばしば無意識に行われた)、モントーヤは新しい素材からの創造で、多くの作品をなしました。

 彼はこれまで、“伝統的フラメンコ”の全ギタリストのレパートリーになっていた、たくさんの楽節を紹介しました。彼はまた、独奏のためのロンデーニャの創案者であり、これは最初のギターのために作られたトーケでした。他のギター独奏曲は、カンテから派生したものでした。

 ラモン・モントーヤのロンデーニャの録音(1930年パリで作られ、現在も the Hispavox LP "Arte Clasico Flamenco,Ramon Montoya"として再刊されている)は、彼の独奏者としての技量を示しています。

 ロンデーニャは、暗いですが、叙情的な気品を持っています。
 これは第六弦を低くし、第三弦も普通より半音下げて、演奏されます。
 モントーヤは、その抑制した技巧を、単に一部分の装飾のためばかりではなく、曲を磨き上げるために用い、そしてそれは予期し得ない楽節を生み、フラメンコには稀なハーモニックスの使用もあって、特性的なものを創り上げたのです。


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