コンパス(ギターメソッド-1)

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コンパス

(1) コンパスとギター
 コンパス
 フラメンコのリズムの基本要素はコンパスと呼ばれます。コンパスとは、文字通り音楽を『測る』ものという意味です。それぞれのコンパスは、その勢いと、拍を数えることができる音の流れの中に、強調したビートをパターンで繰り返し、リズムに一定の気分をもたらすのです。
 コンパスには様々なパターンがあります。

 何度も繰り返すことで、音のパターンは、鼓動に似たフラメンコののリズムに生気をもたらし、音に表情の豊かさと興奮をもたらすのです。

 様々なタイプのコンパスを深く理解するために、ギターを、まさしくその第一歩から学ぶならば、あなたはすぐにも、フラメンコの根幹であるリズミカルな推進力を手に入れることができます。

 コンパスの感覚をしっかりと身につけることです。そうすることで、あなたの手でギターに命を与えることができるのです。もしもコンパスを無視したり、またはコンパスの鼓動を止めるようなことがあれば、音楽はたちどころに死に至るでしょう。

 コンパスの本当の理解なしでも、ギタリストはギターで多くの賢いやり方や、さらに非常に難しい技を学ぶことができます。しかし、そうした演奏ではフラメンコに命を吹き込むことはできないのです。

 あるいは、リズムがビートで構築され、異なる種類のパターンでアクセントをつける方法について理論を知ろうという感覚でコンパスを『理解』しがちになるかも知れません。
 しかし、演奏というものが、その身体の内なるエネルギーと勢いを伝えることであるならば、コンパスに向き合う最終的な感受性は、非常に知的な認識以上の何かを要求します。

 コンパスは、演奏者自身の一部にならなければなりません。手と指の動きを通して音楽の表現に変換される、演奏者が抱える感覚とならなければならないのです。

 フラメンコのリズムと、身体の一体感は、すぐにも誰でも感じることができます。

しかしながら、演奏するときは、その一体感を、継続的な自己認識によって、同時にできるだけ多くの多様なフラメンコの形式の多くを吸収することによって、自覚的に我慢強く持続させなければなりません。

 コンパスを厳密に、そして的確にプレーする能力は、ギタリストの努力が専門家によって評価される物差しとなるのです。

 フラメンコのアフィショナード(愛好家)は、演奏がどんなに精巧で速やかなものであれ、コンパスから外れたものであれば、その演奏技術を評価しないことはご承知の通りです。

 コンパスに則って演奏することには、不可分な二つの要素があります。
 リズムは、聞き手に音楽に合わせて動きたい気分を、有無を云わさぬほどな強いパルスを発生させなければなりません。
 また、ビートの強調とそれぞれの音楽のフレーズのビートの数は、いつも演奏される特定のリズミカルなフォームの独特のパターンに合わなければなりません。

 これらの異なったフォームはトーケと呼ばれます。コンパスはリズミカルなつまびき(ラスゲオrasgueo)のパッセージで固く守られるだけではなく、ファルセータfalsetasと呼ばれるメロディーのパッセージでも厳密に守られます。

(この項続く)


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