クマザサの編み戸【草の宿(51)】

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草の宿(51)

 少年は小屋の戸を開けました。

「お、じいちゃん、扉が新しくなってる。これは栗だな」

 木枠に、分厚くクマザサを編み込んだ、かつての戸を思い出しながら、少年がつぶやきました。

「ササの戸も軽くていいがな、何しろ暇だからな、作り替えたのだ」

 祖父の応えに、少年は笑いました。

 強い日差しに慣れた目には、小屋の中は薄暗くて、すぐにはなにも見えません。しばらく戸口にたたずみ、目が慣れるのを待ちました。

 小屋の中には、広い土間があり、左側に、粘土で作られた炭焼き窯があります。
 窯の入り口には、それをふさぐための煉瓦が、几帳面に立方体に積み上げられ、さらにその隙間をふさぐための山土が盛られてありました。

 山土の盛りの上には、どんぶりに山盛りにされた塩がのせてあります。

 土間は、小枝一つもなく掃き清められ、竹箒の目が筋模様を描いています。

 小屋の右側が、寝泊まりをするようにしつらえられています。かつては、ムシロがぶら下げられていた住居の入り口が、小屋の戸口にあったササの戸になっていました。

「おお、ササの戸はここに来てるのか」

 少年は、感嘆の声を上げました。



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