カエデの樹液【草の宿(43)】

ここでは、 カエデの樹液【草の宿(43)】 に関する情報を紹介しています。
草の宿(43)

 冬枯れた樹木の中で、カエデの若枝の紅は、つややかに輝いています。
 小指の先ほどのつららが、そのカエデの枝もとから垂れているのを見つけました。カエデの樹液のつららです。

 折り取って口に含むと、ほのかな甘みがしました。懐しい味でした。

 春の山で遊ぶときには、子供たちは、カエデの木を見つけると、ストックの先で小さな傷を付けるのでした。
 遊び疲れた頃に戻ると、さっきつけた、幹の傷から、したたった樹液が、すでに小さなつららになっているのでした。

 それは、子供たちが、春の到来を実感する味だったのです。



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